ジョージ・ダニエルズはアブラアン-ルイ・ブレゲについて、時計製造の歴史の中で比類のない世界的な評判を築いたと評価しました。彼は独自の秀でた発明により名声を博し、トゥールビヨンや腕時計などその中の多くは今日でも使われています。時計職人として彼が達成した輝かしい功績は、フランス海軍御用達時計師、科学アカデミーの会員への任命、そしてレジオン・ドヌール勲章のシュヴァリエ授与など彼にいくつもの栄誉をもたらしました。1823年、アブラアン-ルイ・ブレゲは76歳でこの世を去ります。
「トゥールビヨン・レギュレーター」の特許(6月26日)
1801年6月26日にアブラアン-ルイ・ブレゲは、重力による影響を相殺して機械式時計の精度を格段に向上させる革命的な機構で特許を取得しました。この発明によって、時計師として傑出した彼は、史上最も革新的な人物の一人に数えられるようになりました。
アブラアン-ルイ・ブレゲは、生涯を通じて35個のトゥールビヨン・ウォッチを創作しましたが、そのうち現存する時計として知られているのは10個を下回ります。とりわけブランドの歴史遺産の中で最も興味深いのが「No. 1188」です。また現在のブレゲは、このほかにも2個の歴史的な懐中時計トゥールビヨンも所有しています。アブラアン-ルイ・ブレゲが1809年に販売した「No. 1176」と、1812年に販売した「No. 2567」です。いずれも個々の歴史的な時計をすべて書き記したオリジナルの台帳にその記録が残っています。